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レース&イベントレポート

2004 NHRAドラッグレース・シリーズ最終戦 POMONA
“40th AUTO CLUB NATIONALS”   2004.11.14

今年もNHRAドラッグレースシリーズを締め括るポモナの季節がやってきた。
今年53年目を迎えるNHRAシリーズ、ここポモナで行われる「AUTO CLUB NATIONALS」は今年40周年を迎えるメモリアルレースとなった。

懐かしのオールド・ドラッグスターのデモ走行を始め数々のエキシビションで40周年に相応しい華やかな最終戦となった。

決勝当日は好天に恵まれて例年より暖かくTシャツ一枚で観戦可能、最終戦ポモナのスタンドは今年も超満員であった。

 

PRO/STOCK

まずはプロ・ストッククラスから、セミファイナル進出はNHRA史上の最多勝利記録を更新中の“ターミネーター”グレッグ・アンダーソン(SUMMIT RACING)vsマイク・エドワーズ(YOUNG LIFE)、そしてジェイソン・ライン(KB RACING)vsロン・クリッシャー(VALVOLINE)となった。アンダーソンは鉄壁の走りでエドワーズを下し、ジェイソン・ラインはクリッシャーのエンジンブローによりファイナルへコマを進めた。

注目を集めたファイナルの結果はアンダーソンが今期15勝目、通算73勝のとてつもない記録を残し優勝。タイムは6,722とダントツの速さを見せた。トーナメントグラフはこちらから。

 

PRO/STOCK BIKE

プロ・ストックバイクはセミファイナルにアンジェラ・サヴォァー(U.S.ARMY)vsチップ・エリス(LUCAS OIL)、アントロン・ブラウン(U.S.ARMY)vsマイケル・フィリップス(PHILLIPS RACING)の対戦となったがこの所負け知らずのTEAM U.S.ARMYコンビが共に勝ち残り、今年2回目のU.S.ARMYカラーが2台並ぶファイナルとなった。前回のこのチームメイト対決はブラウンが勝利したがここポモナに強かったのはやはりアンジェラであった。タイムは7.036secと申し分のない走りであったが、プレッシャーからかブラウンのリアクションタイムが悪かったのが大きな原因であった。この日のアンジェラのマシンは、T/Fのトニー・シューマッカー(TEAM U.S.ARMY)と同じく退役軍人会のサポートを受けグリーンのU.S.ARMYスペシャルカラーリングで出場した。勝つべきレースで勝つ!まさにプロフェショナルの仕事であった。トーナメントグラフはこちらから。

 

FUNNY/CAR

ファニーカークラスのセミファイナルはご存知ジョン・フォース(CASTROL/FORD/MAC TOOLS)vsゲーリー・セルジー(OAKLEY)、前回のラス・ベガス戦でファイナルを戦った豪華な対戦にスタンドも湧いたがここポモナはフォースの地元、どうやらそう簡単には負ける訳には行かなかったようだ。



もう一組は同じく「チームジョン・フォース」のゲーリー・デンシャム(AAA OF SO CAL)vsデル・ウォーシャム(CHEKERS CHUCKS KRAGEN)の対戦。しかしゲーリーはスタート直後姿勢を乱し思わずスロットルを戻す、リカバリーを試みたが万事休す。ウォーシャムがファイナルへ進む。



オレンジの夕日が西の空にきらめく中、豪快なバーンナウトを決めるフォース、すぐにウォーシャムも負けじと高々とスモークを上げる。いよいよ決勝戦、スタートのリアクションタイムはほぼ互角であったが後半スピードに伸びのあったフォースがホールショットウィン!完璧なレース運びを見せ王者の貫禄を漂わせていた。

すでに今年ファニーカークラスのシリーズチャンピオンを決めていたフォースの走りは自信に満ち、余裕さえ伺えた。トーナメントグラフはこちらから。

 

TOP FUEL

さて大取りはトップフーエル、今年レース中の事故により天に召されたダレル・ラッセル亡き後、シーズン中盤以降ジョー・アマトーレーシングのステアリングを握るのはルーカスオイルの御曹司モーガン・ルーカス(LUCAS OIL)。

ルーキーながら天性の素質なのか成績優秀ここポモナでもセミファイナルまで勝ち残りスコット・カリッタ(MAC TOOLS/ JESSE JAMES)との対戦。カリッタはこの日の朝ブランドン・バーンシュタイン(BUDWEISER)をも破ったがここへ来て不調、波に乗るルーカスがファイナルへ勝ち進む。そしてチャンプ トニー・シューマッカー(U.S.ARMY)とデイビット・バッカ(D.BACA&FAMILY)の対戦は予想を裏切ることなくシューマッカーがファイナルへ進む。

チャンプ対ルーキーの戦いとなったファイナルはナイターとなる。水銀灯に照らし出されたコースに姿を現わすとまずは豪快にバーンナウト。エキゾーストからオレンジの炎が夜空に吹き上げる。この日のファイナル、緊張のステージング、一瞬の静寂の直後スタートランプ点灯。スタートから飛び出したシューマッカーがルーカスに大きくリードし優勝!タイムは4.807secスタート後方ではルーカスオイル会長であるモーガンの父そして母、一家総出でモーガン初優勝の行方を見守る姿が印象的だった。残念ながらルーカスの初優勝は来期までお預けとなった。優勝はトニー・シューマッカーこれで「TEAM U.S.ARMY」はプロ・ストックバイクとトップ・フューエルクラスでのダブルウィンを飾った。

全米最強のスポンサーU.S.ARMYの後ろ盾とは言えトニーの走りには驚くべき強さが漲る。ケニー・バーンシュタインの引退後、王者に君臨するトニー・シューマッカーにストップをかけるのは果たしてルーカスなのかB.バーンシュタインなのかカリッタなのか?早くも来シーズン開幕が待ち遠しい。トーナメントグラフはこちらから。

レポートではお伝えできなかったが、メジャークラス以外でも素晴らしいレースが繰り広げられた。トップ・ガス・ドラッグスターではファニーカーチャンプ、ジョンフォースの愛娘アシュリー・フォースがオヤジ顔負けの走りで見事に初優勝!ジョン・フォースは自分の優勝より感激した様子で、でれでれの笑顔をみせた。また決勝前日はアシュリーの誕生日でもあった。フォース一家にとっては思い出に残る週末になった事は間違い無い。

アメリカのモータースポーツシーンでは親子、兄弟、夫婦でレースに出場するケースが多く存在する。IRLのアンドレッティー、NASCARのエーンハート、NHRAでもペデレゴンやカリッタ兄弟、ロンダ・ハートマン・スミスとジョン・スミス夫妻はNHRAを同じT/Fクラスで戦う。羨ましいばかりの環境と彼らを応援する多数のファンがそこには存在する。この最終戦のあとドライバー達は僅かなクリスマス休暇を家族と過ごすべくホームタウンへと帰って行く。来年の開幕戦はここポモナで2月10日〜13日に開催される。